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スーツの襟をよく見てみよう

スーツの襟をよく見てください。縫い目を境に、上襟と下襟に分かれるのがおわかりでしょうか。この縫い目のことを「ゴージライン」といいます。このゴージラインがシャツカラーの中間に位置していることがバランスのよしあしを見るひとつのポイントです。また、お店では、売り物であるネクタイを目立たせるために、太めに大きく結んだディスプレイをしている場合があります。しかしこれを実際にマネしてしまうと、ネクタイばかりが悪目立ちしてしまいます。Vゾーンの大きさに合わせて、ネクタイの結び方でバランスを整えることが大切です。ネクタイの結び方については、後ほどご紹介しましょう。別なパターンとしてもうひとつポイントをお伝えすると、基本的にシャツカラーの先はスーツの中におさまったほうがバランスは整います。小さな襟など襟型のデザインでおさまらないものは別として、シャツの襟の先がVゾーンから見えていると、何ともおさまりが悪く感じられることもあります。お店では、マネキンや人型のボディにスーツを着せてディスプレイされています。たとえそこで見てバランスがOKでも、実際は着る人によって骨格や肉のつき方が違います。描背の人はVゾーンが狭めになったり、肩幅のある大や胸の筋肉が発達している人は広めになったりする傾向があります。ぜひ、自分で試着してチェックしてみてくださいね。

外国の女性たちは日本人ほどストッキングをはかない

外国の女性たちは日本人ほどストッキングをはかないと聞く。そういえばパリのステファン・ケリアンのお店で、立派な足をした中年女性、ストッキングをはかないまま次々と試していた。湿気が少ないから(とはいうものの、どういう訳か前回のパリは蒸し暑かった)、足が靴底にじかに付く気持ち悪さがないのかもしれない。夏の軽やかな服装にストッキングはいかにも不似合い、ショートパンツにスニーカーというスタイルにも、ストッキングを身に着けなければ安心できない人もいたりする日本女性、潔さという点でフランス女性に、勝ちを譲らなければならない。カジュアルな服、そうでない服でストッキングの着用を決めたい。手入れの行き届いた脚、軽やかな脚さばき、夏の太陽の下ではやはりストッキングは不似合い。自ずとバッグも軽やかなものになるし、アクセサリーもプラスチック素材、ガラスのものと他の季節とは異なった楽しみ方を味わえる。

脚線は男の魅力の最大のポイント

どちらの時代の男性服にも、ゴッドヒース(ズボンの前あき部分につけられた装飾的な袋)がさりげなく目立っているが、ここにはキャンディやお金などが詰められていたとのことである。脚線は男の魅力の最大のポイント。ときにはストッキングのなかに詰め物をしてまで、美しいふくらはぎのラインを演出していたらしい。ヘンリー八世もりりしい脚をさらに英国の最高勲章であるガーター(靴下どめ)勲章で飾っている。そして、前出のチャールズ一世の時代である。上下ともに詰め物はぐっと減った。これまで肩周辺にあったボリュームはむしろ袖の方へ下がり、なで肩のラインを作っている。十六世紀には必需品だった首輪のごときラフ(ひだ襟)は大きなレースの垂れ襟にとって代わられ、なだらかな首か玉屑のラインをさらに強調している。半ズボンの丈は少し長くなっている。伸縮性のない素材に大きく切れ目を入れて運動量を多くしたタブレットからは、下に着た白いリネンのシャツをのぞかせている。同時代の騎士が登場するヨーロ〜ハのコスチュームものの映画、たとえば『三銃士』、『仮面の男』、『シラノードーベルジュラック』を観ると、スラッシュが肘の前部と脇の後部にのみ大きく入っている服が多い。少なくともこの二箇所に入っていれば、手は自由に剣を扱える運動量を確保できたものと思われる。チャールズ一世のこの装いも軍服がベースである。V字型ウェストの下から垂れる部分は甲冑でいえば草摺(腰よろい)に相当する。