空襲による民間人の死者も、個人を特定するのは難しかった。一晩で一〇万人の死者を出した東京大空襲の場合、遺体は一三〇箇所の公園に埋められた。改めて掘り起こされ、火葬にして納骨堂に合葬されたのは一九四八(昭和二三)年である。敗戦までに犠牲になった民間人は五〇万人以上といわれる。戦死した軍人・軍属は二三〇万人である。このうちの何人の遺骨が遺族の元に戻っただろう。「死者を手厚く葬ってやれなかった」というこのころの無残な体験が、かつての戦地に遺骨収集団を向かわせ、遺骨に対する日本人の特別な思いを育てたような気がしてならない。「名前だけの英霊」を祀った靖国神社と、遺骨収集団が持ち帰った「名前のない遺骨」を納めた千鳥ヶ淵戦没者霊園。政治的な争点にばかりなるこの二つの慰霊施設は、戦後日本人の骨に対する屈折した思いを象徴してもいるのである。
仏式の通夜や葬儀の席で焼香するときは、正式には宗派によって若干の作法のがある。それは、何回献じるかといった些細なことなので、一般的な作法を覚えておけばさほど気にすることはない。まず順番が来たら焼香台に進むが、そのときいくつかの礼が必要になる。たとえば先に焼香した人が「お先に」という意味の会釈をしたらそれに返礼が必要だし、僧侶や遺族の前を通るなら、立ち止まってその人たちへの黙礼もする。けっしてペコンといった礼にならないよう気をつけよう。焼香台近くまで来たら、正面の三歩くらい前で歩みを止め、遺影と位牌を注視する。そのあと一礼してからさらに一歩進んで焼香する。方法は、右手の親指、人さし指、中指の三本で香を軽くつまみ、手のひらを自分に向けて額の前にかざすようにおしいただいてから、火種の上に落とす。これを三回繰り返してから合掌するのがふつうで、仏・法・僧に捧げるという意味だといわれている。しかし、参列者が多いときなど一回でも構わない。死者を悼む心が十分に伝わればいいのだから、合掌だけはゆっくり心から念じておこう。焼香と合掌を終えたら、正面を向いたまま三歩ほど下がって一礼、遺族席にも一礼したら回れ右をしてもかまわない。次の人とすれちがうなら、自分がされたと同じように会釈をしておこう。
曲線の動きで優しくソフトな印象に。たとえば上司に書類を渡すとき、「お願いします」と腕をまっすぐ伸ばして突き出すのと、胸の位置から円を描くように渡すのとでは、どちらが好ましいだろうか。直線的な動きは、力強く勢いがあるものの、どこか人を寄せつけない堅さをともなう。曲線的な動きは、優雅さや柔らかさをイメージさせる。ゆったりソフトなしぐさは安心感を生む。お客様を相手に話すときにも効果的だ。とくに女性におすすめしたいのが、身体の一部を交差させたり斜めにしたりする動き。たとえば身体の左側にあるものは、左手より右手でとったほうが華やかで大きな動きになり、人目を引く。人の話を聞くときは、デスクの上で両手をふんわり組み、指を曲げずにそっと絡めると、交差した指に女性らしい優雅さが出る。女性ならではの柔らかさをプラスして、魅力的な雰囲気をつくろう。
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