日本の人口の高齢化ですが、これがまた急速に進んでいるのです。一九九〇年、今から一五年前には十五歳から六十四歳までの労働人口が約八六〇〇万人で六十五歳以上の老齢人ロが約一五〇〇万人だったので、六人で一人の老人を支えていけばよかったわけですが、それが二〇〇〇年には老齢人口が約二二〇〇万人、二〇二〇年には三五〇〇万人にも膨れ上がり、労働者人口が約七四〇〇万人なので、二人で一人の老齢者を支えていかなければならないという事態になります。このことは、実に大変なことであります。社会のあらゆる面で老人問題が深刻な問題として取り上げられるでしょう。まず、老人福祉、老人医療の問題が緊急の課題として、今、政府がその対策にのり出しています。老人福祉や老人医療にたずさわる人々も今は足りない状態です。あとでまた触れることになりますが、最近の新設大学、短大、それから新設学部・学科に福祉関係が多いのも、老齢人口の急増のためのものです。
新学年に上がる四月ごろになると、一年なり二年なり通った塾で思うように成績が上がらなかったり、下がったりすると、塾を替える、いわゆる「転塾」を考えたくなります。こうした場合、どう判断したらいいのでしょう。大手の塾に通っていると、クラスが成績別に編成されていることがよくあります。ずっと最上位クラスにいたお子さんが、進級時に下のクラスに落ちたりすると、お母さんはショックで、その塾をやめさせようかと考えがちです。所属クラスにこだわる家庭のなかには、最上位クラスに居続けるために毎月のテストで高得点を取ることが勉強の目標になっている場合があったりします。これは大きな間違いです。なぜなら真の目標は、ずっと先の中学入試で合格することにあるからです。県予選を通らなければ全国大会に出られない運動選手の場合は、県予選に照準を合わせなければならないでしょう。ですが中学入試では、予選は関係ありません。月例テストに合わせて付け焼き刃の勉強を繰り返すことは決して望ましいことではありません。目先の結果にこだわらず、本番に向けて着実に力を付けていくことが、家庭の姿勢としてはとても大切です。同様に、「転塾」も、この観点から検討する必要があります。
落ちて来た人数と同じくらいの生徒が「私立しか通らなかったので国立ねらいのためもう一年浪人する」「慶應に三点差で落ちた。悔しい!中央も明治も蹴ってもう一年浪人する」という積極的な生徒が多数派になりつつある。特に国立理系志望者は、私立理系に名門と呼ぶにふさわしい大学がせいぜい三校(早大・慶大・東京理科大)にすぎないので、他の私立理系に合格しても浪人する者が多い。同時に、知っての通り国立と私立の学費の格差がある。一年間浪人しても国立に行けば、十分学費の回収ができる。四年間私立に通うのに比べて百万円以上国立のほうが安いからである。私立医大は特別で入学費、授業料、施設充実費などの名目で初年度納入金の合計は二千万円である(国立の約四十年分に匹敵する)。
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